TU TE TIRITI 社会は良くなれるんだと感じた一日。

2月6日。アオテアロアニュージーランドは「ワイタンギデー」という国民の祝日だった。私が暮らすダニーデンでも、10時から街の中心部でデモ行進がありそこに参加した。出発地の公園に少し遅れて到着したが、人があふれんばかりに集まっていた。

On 6th of Febraury, I joined Waitangi Day protest at Dunedin. I arrived late to the starting point and I was surprised by the large number of people gathered there.

街の中心部の道路を埋め尽くす参加者たち

Waitangi Day Protest

マオリ語の歌を歌いながら街の中を歩き、最終地点ではスピーチが行われた。どのスピーチも植民地主義の反省と脱却、また連帯を強調していた。特に、アジア系のニュージーランドに住む人たちからのスピーチはニュージーランドに来たばかりの私にとってとても印象的だった。ニュージーランドの歴史の中で、アジア系移民の権利が侵害されたときに、マオリの人々が一緒に立ち上がってきた場面を振り返り、今起きていることにともに向き合おうという強い呼びかけだった。

After the march, there were speeches call for solidarity to support Maori rights. As an Asian immigrant to this country, I was moved by the speech described how Maori people have stood up to protect Asian immigrants' rights in historical events. 

銅像の前にかけられた赤・白・黒色の「マオリの旗」

行進の時に人々が手にしていた「マオリの旗」

この日のデモ行進には、例年よりも多くの人が参加していたようだ。その背景としては、ニュージーランドの現政権のマオリへの姿勢がある。

1840年2月6日にマオリの首長たちとイギリス君主の間に結ばれたワイタンギ条約は、アオテアロアニュージーランドの国の根幹となる条約だ。去年10月の国政選挙でニュージーランドは、3党の連立政権になった。国民党、ACT党とニュージーランド・ファースト党が政権を担っている。そして特に前政権が進めてきた、公共の場でのマオリ語の使用や、先住民の生活水準や権利の改善のための施策を撤回するという姿勢を示してきた。そんな現政権への抗議の意志を示すために、2月6日には赤ちゃんから高齢者まで、様々な人種の人が集まっていた。

Colonial government took their language and culture from Maori people and have oppressed them for a long time, but people have changed and moved forward the society by collective movement. By singing Maori songs and walked together, listened together, I really felt the power of people to creating more equal and inclusive society.

マオリ語の歌や掛け声をしながら皆で歩きスピーチを一緒に聞く空間は、植民地政府によって言葉や文化を奪われてきたマオリの人々の権利回復運動を経て今があることを強く感じさせる空間だった。社会は一人一人の力で、よりよい方向にも変えていくことができると目の前の景色が物語っていた。そこに参加できただけでも、アオテアロアで暮らせていることへの感謝の気持ちがむくむくと湧き上がってきた。そしてもっとマオリに関して、また日本の先住民についても学びたいと思った。

Also, I could learn about my privillages too, being able to come to this country easily because of the easy access to working holiday visa as a Japanese, not knowing indigenous people's experience in Japan. I need and eager to learn more about indigenous people in Aotearoa and in Japan.

芝生の広場でスピーチを聞く多くの人々

中心部の広場でスピーチ

同時に、ワーキングホリデーという制度が日本国籍であることによって気軽に利用できることは、特権であることを異なる国々から来ている人たちとの会話の中で感じている。この1年移民として暮らす中で何が見えてくるのかな。。そんなことも思った1日だった。