日記7/21-24

21/7/24 ココナッツクリームにかぼちゃとさつまいもとトックをいれたあったかい朝ごはん、一昨日焼いたパンと食べたら幸せな気持ちになった。大好きな同居人が今日から休暇でアオテアロアを離れる日で一緒に朝ごはんを食べて空港までお見送りに行った。同居人は普段野生の動物たちの獣医をしている。アオテアロアの鳥たちが主な患者で、ホイホ(イエローアイペンギン)など絶滅が危惧されている鳥もいる。今まで人間界の事象にばかり関心を持っていて、自然保護や動物の保護については関心を持ったことがなかった。けれど、同居人から鳥たちの話を聞くことで少しずつ今までよりも広い世界が見えてきた気がする。例えば「昨日、漁業の網に引っかかってホイホ(イエローアイペンギン)が4匹死んでしまったんだって。これであのビーチで子どもを産める雌ペンギンはいなくなってしまった。」と聞いたときにはっとした。漁業によって野生動物の生態が壊されているというのは聞いたことがあってもそれが何を意味しているのか考えたり調べたりしたことがなかった。餌が足りてない飢餓状態のペンギンも病院にはよくやってくる、その状態だから魚を追って漁業の網に引っかかってしまうペンギンたちも多くいるのだという。人間が食べるために多くの魚を採ることによって、人間はペンギンたちの食料を奪ってしまっている面もある。

とっても優しくて真摯に動物とも人間とも向き合う同居人に教えてもらっていることがたくさんある。仕事で毎日、生死と向き合っているのはきっと大きな負担もあると思う。そんな同居人がのびのびお休みを満喫して帰ってくるのを楽しみにしている。

 

22/7/24 今日はお昼ごろにデモに行った。アメリカ海軍の主催によるRIMPACへのニュージーランド軍の参加に反対するデモだった。最初に話を聞いたときはピンと来ていなかったのだけれど、ネットで調べて「環太平洋合同演習」という日本語を見たときに、あまりに聞きなじみのある言葉でびっくりした。日本の自衛隊も1980年から参加している。イスラエルを支持しているアメリカと一緒に戦争の訓練をすることに対してNOと抗議を表す集まりだった。月曜日のお昼、雨が降って寒い中でも30人くらいが集まって街の中を抗議の声を上げながら歩いて、軍の事務所が入っている建物の前まで行った。こうやって声を上げて正直意味があるんだろうかなんて思ってしまう自分もいた。けれど、メディアが取材に来ていたり、建物の中にいた友人が抗議の声が聞こえたことで何についてなのかと同僚と話すきっかけになったよと言っていたりするのを聞いてランダムに人が見聞きする可能性の高い路上で声を上げていくことってやっぱり大事なのかもと思い直した日だった。

 

23/7/24 朝8時でカーテンを開くと、明るくなってきているのに嬉しくなる。1週間くらい前までは8時でも外はとても暗かったのが、だんだんと日の出が早くなってきて冬から春に近づいていっているのを感じる。夏の9時半まで明るいのにはこちらに来てびっくりしていたけれど、今はその時期が少し恋しい気持ちだ。最近は大学院の進学の準備の締め切りが迫ってきていて少し焦りながら準備している。何事もうまく進むと信じて。

 

24/7/24 これまで自転車生活だったのから、今日は車を借りてお仕事3つシフトだった。移動にかかる時間がぐぐっと短くなって楽にはなるのだけれど、まだ運転初心者なので緊張するのとただの“移動”になってしまって、自転車や歩いているときにあるちょこっとした発見とかは減る気がしながら1日が過ぎた。特にまだ夜に運転するのは慣れなくて知っている道でも違う道に見える。お仕事が始まる前に、最近読んでいた論文をもう一度読んでいたら昨日まではちっとも頭に入ってこなかった論文の内容がするすると頭に入ってきてなかなか面白く読めた。違う論文を読んでいたかな?と思うくらいの差で、何が変わったのだろうかと思う。2007年と2013年に日本で行われた同性同士の結婚式が、メディアでどのように語られたのかを比較する論文だった。19世紀末にはすでに同性同士の“夫婦”について新聞記事にもあり、1990年代にはブームと呼ばれた時もあるが、常に「新しい現象」として語られてきたこと。また、ホモフォビアや差別を覆い隠すように「理解が足りない」とされてきたこと。共生のためには許し寛容であることが求められること。自分がやってきたことともつながって興味深い論文だった。

Maree, C. (2017). Weddings and white dresses: Media and sexual citizenship in Japan. Sexualities, 20(1–2), 212–233. doi:10.1177/1363460716645790